紫牟田和俊 Kazutoshi Shimuta

ART IN TIME & STYLE MIDTOWN vol.26

紫牟田和俊 Kazutoshi Shimuta

2025年1月17日[金]- 2月11日[火・祝]無休
11:00-20:00
レセプションパーティー_2025年1月17日[金]17:30〜19:30

Time & Style Midtown
東京都港区赤坂9-7-4  東京ミッドタウン ガレリア 3F 
Tel: 03-5413-3501

「blind paintings and the box」について

2012年8月、庭の地面にあいた蝉の穴に石膏を流して型取りしたのが発端だった。そこには蝉が土を刻んだ痕跡が生々しく残っていて、地中の暗闇で刻まれたそのかたちは思いのほか異様であった。

蝉が土を刻むようにドローイングできないか?、と考えた時に思いついたのがブラインドペインティングだ。真っ暗な部屋でパネルにオイルパステルを塗りつけていったのだが、その試みはある意味初めから失敗していた。その根本的失敗は蝉の無心さを既にイメージしてしまっていることだ。

蝉は時間や環境に突き動かされてひたすら穴を掘っているのであって、そのことをイメージすることはない。でもわたしたちは何のイメージもなしにドローイングなどできるのだろうか。

たしかに、蝉は自らの内なる自然と環境のなかに閉ざされていて、人間は想像することで世界に向けて開かれていると言えるかもしれないが、その想像された小さな世界の周りは以前として鬱蒼とした森に囲まれていることを知らなければならない。

(紫牟田和俊)

紫牟田和俊  Kazutoshi Shimuta

 1957年 福岡県生まれ。
1982年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
1986年 東京藝術大学大学院美術研究科壁画第二研究室終了
1988年 DAAD給費によりドイツに留学。ハンブルク美術学校にてフランツ・エアハルド・ヴァルター教授 (Prof. Franz Erhard Walther)に師事
1991年 東京藝術大学大学院美術研究科博士後期過程満期退学
 
<主な展覧会>
1991年 個展 東京藝術大学陳列館
            個展 ギャラリー美遊
            グループ展「色相の詩学展」川崎市民ミュージアム
1992年 個展 モリスギャラリー
            グループ展「1st TRANSART ANNUAL」横浜ビジネスパーク
1993年 個展 ギャラリーgen
            個展 モリスギャラリー
1994年 個展 ギャラリー美遊
1996年 個展 ギャラリー360°
            グループ展「レクイエムー榎倉康二と33人の作家ー」川口現代美術館
1997年 グループ展「鍵のかかった部屋」ギャラリー美遊
            個展 秋山画廊
1998年 個展 鎌倉N氏邸
2000年 グループ展「Framing」GALERIA RASEN
            個展 T&S Gallery
2001年 グループ展 佐倉市立美術館「拡張する絵画-色彩による試み」
            グループ展「発生の場/ドローイング」東京藝術大学陳列館
2002年 個展「横溢するカルナシオン」TIME & STYLE EXISTENCE(青山)
2003年 グループ展 ギャラリーアペル
2005年 個展 プラザギャラリー
            グループ展「D/Jブランド」東京藝術大学美術館
            個展「TORSOHOUSE(無為の集落)」T&S Gallery
2006年 グループ展「LVRFI」studio ONO
            個展 秋山画廊
2008年 グループ展 TIME & STYLE MIDTOWN
            グループ展「LVRFIT&S Gallery
2009年 個展 void+
            個展「16×24 Pious colors」秋山画廊
            個展「Torsohouse 洪水の翌朝」T&S Gallery
2011年 グループ展「松戸の美術100年史」松戸市立博物館
2022年 個展 TIME & STYLE MIDTOWN 
2023年 個展 SPACE 23°C