このソファのシンプルなデザイン構成は、日本の地域産業の融合に よって完成しました。
真鍮で作られた脚部は、富山県高岡市にあるロストワックス工場で一つひとつ手づくりをしています。仏具や茶道具を真鍮やブロンズで鋳 造する際、原型を蝋で作り、外側に石灰層の皮膜による鋳型を製造しま す。その鋳型の中に溶かした金属を流し込むロストワックス鋳造と言う製造方法が使われています。4 本の脚を繋ぐ貫は、押出成形という方法で製作しています。金属の塊に数百トンという圧力を掛けて型の中を通 過させて、特殊な形状をしたパイプを押し出します。京都に唯一残る工場で製作をしています。
ソファ本体は宮城県で製造しています。ソファ内部の木部とウレタンや化繊綿などで下地を成形し、最後に生地や革で全体を包み込んでソファを完成させます。程よい沈み込みとゆったりとした奥行きが、贅沢な寛ぎを実現させました。
ソファに合わせたサイドテーブルは、北海道の自社工場で細部のディテールに至るまで丁寧に仕上げています。
日本各地のものづくりが集積し、それぞれの高い技術がソファというプロダクトを通して、静かに共鳴し、調和のとれたソファになりました。