スイスのハルデンシュタインにあるピーター・ズントーの自宅兼アトリエは、1980年代に建てられた木造アトリエのすぐ近くにある。この自宅の音楽室やアトリエ、ピーター・ズントーが設計した貸別荘ライス・ハウスで使われている4本脚のスツールは、シンプルで座り心地が良く、鮮やかなベロア生地で張られている。Damenhocker(女性のスツール)と名付けられたそのスツールは、クラシックで洗練された雰囲気の中に優しさや可愛らしさ、さらには凛々しい佇まいを持ち、1脚でも存在感があり、並べたりランダムに置いても成立する。
丸く削り出された木脚は地面に向かって細く絞られ、柔らかく膨らんだ丸い座面を軽やかに持ち上げている。黒色の突板で仕上げられた座裏は脚の表情と対比させることで、座面との構成がより明確になる。
座面にはスイスのクリスチャン・フィッシュバッハ社の発色の良いベロア生地5色の中から空間に合わせて選ぶことができる。生地は座裏の木部にパイピングで留め、目に触れない部分も丁寧に仕上げている。