A chair in the forest
Time & Style ēdition

今から16,000年から3,000年前までの時代を日本では縄文時代と呼びます。この時代はまだ中国や大陸からの影響を受けておらず、純粋な日本人の祖先が暮らしていたと言われています。日本人は原生林の広葉樹に実る木の実を主食とし、森に住む動物や海や川に住む魚を食べていたようです。木の実を食し、木で道具を作り、木の家に住んでいた縄文時代の日本人はまさに「森の民」であったと言えます。森や大樹は日本人の信仰にも大きな影響を与えてきました。日本土着の信仰である神道の神々が祀られる神社の境内には必ず大樹があり、樹齢数百年を数える大きな木は神々が宿る御神木として人々に崇められています。

無垢の木材だけで構成されたこの椅子は、森林に立つ木々のような存在感を湛え、シンプルなデザインでゆったりと座れることをコンセプトとしています。背板は分厚い無垢の板を曲げて加工しています。この椅子の製作工場がある飛騨高山地方は、曲木の成形技術に優れた地域です。一般的な曲板は1mmほどの薄くスライスした板を1枚1枚接着剤を入れて重ね合わせてから高周波プレス機で成形する合板ですが、飛騨高山地方では無垢の木材をスチームで柔らかくした型にはめ込んで曲げてゆきます。無垢の曲木は木の美しさと強度を生かすことができますが、素材の質や木目の通り方を丁寧に見極めて加工する高度な技術と専用の設備が必要です。地域や工場、そして職人たちの技術が結集されて、A chair in the forest が完成します。シンプルでバランスの取れた、森の木立のような美しい椅子が実現しました。

Materials and finishes available for this product

Fabric / Leather

Wood and FInishes