手漉き和紙は丈夫で風雨にも強く、夏の日には太陽の熱を和らげ、寒い冬の日には暖かな陽の光を通しながら冷たい風を遮ってくれます。住宅から姿を消しつつある障子の世界観をキャビネットという小さなスケールに縮小し、本物の素材を用いることで障子が持つ情緒的な雰囲気を表現しました。
美濃の手漉き和紙職人による和紙を、指物師によって製作されたフレームに張り込み、自社工場で製作した扉枠に取り付けました。扉は障子と同じように引戸になっています。天板・底板・棚板は全てガラスにして、光がキャビネット全体を通り抜けるように設計しました。