ノルウェーのフィヨルド奥深くに位置する小さな街、セウダはかつて鉱山業で栄えました。1899年に閉山されたその鉱山の歴史を伝えるため、鉱山跡地の渓谷に、ピーター・ズントー氏が設計したアルマナユヴァ亜鉛鉱山博物館が2016年にオープンしました。この博物館は6月から8月までの限定期間のみ公開されており、トイレ棟、カフェ棟、ギャラリー棟というように分散して配置された建物群で構成されています。このカフェ棟で使用されているのがAllmanna Stoolです。
このスツールは、座面と3本の脚という、スツールを形成するために最低限必要な要素で構成され、全てのパーツは無垢材で製作されています。座面は臀部のカーブを優しく受け止めるように丸みを帯びた形状に削り出されており、脚部は細身で円錐形のデザインが特徴です。このシンプルながらも温かみのあるデザインが、スツールの魅力を引き立てています。オリジナルはブラックアルダーの細かい接ぎ合わせで作られた座面でしたが、日本での製造に際しては、木の自然な表情を生かすために最小限の接ぎ合わせで仕上げられた欅の無垢材が用いられました。