木工では表現できない形状を、金属の強度を利用して製作したいと考えました。このテーブルは、脚部を構成するベースと支柱、天板裏のプレートが鋳物技術によって継ぎ目のない一体型で作られ、ブロンズの力強さと簡潔なデザインによる静けさが共存します。流線形の支柱は繊細さを持ち合わせ、意図的ではない有機的な造形が出来上がりました。
これまで数百年の間、仏具や仏像の製造を中心としてきた鋳物産業に、家具づくりを通して新しい可能性を示し、日本の鋳物が新しい存在として生まれ変わることは、伝統工芸の次なる姿を生み出す価値のある取り組みです。