紫牟田和俊 Kazutoshi Shimuta
ART IN TIME & STYLE MIDTOWN vol.26 紫牟田和俊 Kazutoshi Shimuta 2025年1月17日[金]- 2月11日[火・祝]無休11:00-20:00レセプションパーティー_2025年1月17日[金]17:30〜19:30 Time & Style Midtown東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア 3F Tel: 03-5413-3501 「blind paintings and the box」について 2012年8月、庭の地面にあいた蝉の穴に石膏を流して型取りしたのが発端だった。そこには蝉が土を刻んだ痕跡が生々しく残っていて、地中の暗闇で刻まれたそのかたちは思いのほか異様であった。 蝉が土を刻むようにドローイングできないか?、と考えた時に思いついたのがブラインドペインティングだ。真っ暗な部屋でパネルにオイルパステルを塗りつけていったのだが、その試みはある意味初めから失敗していた。その根本的失敗は蝉の無心さを既にイメージしてしまっていることだ。 蝉は時間や環境に突き動かされてひたすら穴を掘っているのであって、そのことをイメージすることはない。でもわたしたちは何のイメージもなしにドローイングなどできるのだろうか。 たしかに、蝉は自らの内なる自然と環境のなかに閉ざされていて、人間は想像することで世界に向けて開かれていると言えるかもしれないが、その想像された小さな世界の周りは以前として鬱蒼とした森に囲まれていることを知らなければならない。