中世から近代までの日本の木造家屋は、柱と柱の間にある可動式間仕切りの障子や襖によって空間が作られていました。そのような日本の住空間では、屏風もまた一つの空間を生活リズムや用途に合わせて間接的に仕切りながら使う生活の道具でした。そして、屏風は時代とともに大空間を飾る調度品へと発展し、その表には、美しい自然の風景や日本の物語を画題にした屏風絵などが描かれ、日本美術の名品も数多く生まれました。
Shojiは、木目がまっすぐ伸びた秋田杉を細やかな格子に組み、杉本来の質感と香りを感じられるよう無塗装で仕上げました。片面には、日本三大和紙の一つである福井県の越前和紙を貼っています。約1500年の歴史をもつ越前和紙は大判を得意とし、襖や屏風のような大きな建具に継ぎ目なく貼ることができる丈夫な和紙です。そして、Shojiの3枚の建具は、和紙を糊付けした紙丁番で繋ぎ合わせています。金物は一切使わず、秋田杉と越前和紙のみの日本古来の工程によって製作されたパーテーションです。
パーテーションの高さは1,350mmと、一般的なものに比べ若干低く設定しました。これは、チェアに座った時にちょうど目線が隠れる高さです。控えめなサイズながら、和紙越しに広がる柔らかい光が空間に豊かな奥行きを作ります。
和紙貼りのほかに秋田杉のフレームのみで構成されたShojiも用意しました。格子の優美な緊張感が空間にリズムを生みます。