Sunset chair with armrest
Time & Style ēdition

座面は、鞄の産地である兵庫県・豊岡で2枚の厚いヌメ革を重ねて縫い合わせ、1枚のシートに仕立ています。背から座面までの1枚仕立てのシートは、ウレタンクッションやバネを用いたチェアのように硬さや座り心地を調整することができません。背と座の角度や沈み込みは革の張り具合のみに頼るので、最適な張り感と心地よい座り感を実現する繊細なバランスを探りました。

シートは、革を二重に挟み込みボルトで固定するというシンプルな構造としているので、長く使用している間に革が伸びた場合でも、穴を開け直して修正することで快適な座り心地を維持することが出来ます。ヌメ革のシートは天然素材だからこそ、ゆっくりと時間をかけ、手を加えながら身体に馴染んでゆきます。

オーク材のフレームは広島県の椅子工場で削り出し、兵庫県・姫路で作った厚いヌメ革を兵庫県・豊岡で裁断縫製しています。日本のそれぞれの地域産業の特性を生かし、職人の手によって一つひとつ生み出されたこの製品は、日本の地域性の可能性を示す新しい形のチェアです。