完結した構造のウッドフレームにシートクッションをベルトで取り付ける、新しい発想によるコンパクトで快適性を追求したラウンジチェアです。深く腰を掛け、ゆったりとした時を過ごす姿を思い描き、どこに触れても心地良い椅子となるように、丁寧に仕上げることを大切にしました。
ウッドフレームは、柔らかに削られた面形状が緊張感のあるアウトラインに融合するように部材同士が有機的に繋がります。顎出し形状で接合部を繋ぎ、フレームワーク全体に一体感が生まれ、完結した構造となっています。その完結したウッドフレームは脚部を座枠の外側に持ち出す構造とすることで、シートクッションをフレームにスッキリと収め、ベルトで固定させました。程よい柔らかさのクッションは、 身体全体を体格に合わせて柔軟に支持します。フレームの前脚と後脚は、内側方向にハの字に角度を付け、ラウンジチェア全体に安定感を生み出しています。
また、コンパクトなサイズ感は、リビングやラウンジ空間をはじめ、書斎などのプライベート空間でも使いやすいボリュームとしました。空間に落とし込まれた姿を想像し、ラダー状の背板とすることで、フレームとクッションの親和性を高めながら背面の佇まいを独自性のあるものにしています。水平に伸びる幅広のアームは腕をしっかりと支え、ラウンジチェアの快適性を高めます。楕円形の断面形状を持つ脚部は、面の柔らかさとエッジのシャープさが共存しています。また、ルーズ感のあるクッションは、パイピングがアウトラインをシャープに見せてフレームと調和し、チェア全体に洗練された印象を与えます。