Zen

日本には銘々膳という給仕方法があり、お盆に脚をつけた簡易的な家具で食事が支給されていました。軽くて移動しやすく、日本の生活文化に即したものでした。膳は隣国の朝鮮半島でも、古くから床座で食事をする際に使われてきました。生活の中でも大切な家具であり引越しの際には頭に載せて運んだそうで重宝されていたことが伺えます。
天板の縁は指物ではなく、刳り貫きで手の込んだ作業で、脚部はしっかりとした指物で作られています。粗雑な部分が見られずとても丁寧なつくりです。昔の使われてきた木材や作り方は、現在では製作コストや安定した材料仕入れが難しいため、素材と工法を見直し、日本の生活道具である桶の工法を採用しました。桶は檜や杉などの日本の針葉樹で作られていて、優しい手触りと木肌の温かみがあります。杉の中でも木目が緻密でストレートな木目の吉野杉を選びました。天板は吉野杉の癖を読み、刃物を通して手に返ってくる感触を確かめながら一枚一枚丁寧に木工ろくろの職人が削って製作してます。広葉樹よりも繊細で加工が難しく高い技術力と経験が求められます。

Materials and finishes

Wood and FInishes

Peter Zumthor collection

side table