K5

東京都中央区
設計:Claesson Koivisto Rune Architects

「証券・金融の街」として歴史のある東京・日本橋兜町。日本の金融市場発祥の地であるこの土地の歴史を継承しながら、新しい町を創るため「人が集い、投資と成長が生まれる街づくり」をコンセプトに再活性化プロジェクトの一環としてK5は誕生しました。

ストックホルムを拠点に活動するCKRがインテリアデザインを監修し、「都市における自然との共存」をテーマに五感に訴えかけるシンプルで上質なホテルとして、歴史的建造物をリノベーションしました。

広さ20~80㎡の20の客室は、檜材の格子や建具や銅板の扉、数奇屋建築の土壁を彷彿とさせる壁など、伝統的な日本の旅館にCKRが現代のエッセンスを加え、日本の工芸と職人の技術、CKRのデザイン哲学が融合しています。

竹や折り紙といった日本の素材やテーマをモチーフにした客室の家具を製作しました。空間のアクセントにもなっている提灯は、これまでに製作したことのない直径120センチという大きさです。提灯の産地として福岡の八女提灯、岐阜の岐阜提灯、茨城の水府提灯がありますが、大きなサイズを製作でき、ホテルでの耐久性が確保できる水府提灯を選びました。竹ひごを螺旋状に巻き上げ、外形を整える製法を採っている岐阜提燈と八女提燈に対し、「水府提灯」は、竹ひご一本一本を輪にして、それに糸を絡めていく製法のため、とても丈夫です。和紙越しの柔らかい灯りは、モダンな意匠でありながらあたたかさを演出しています。