Cabinet

Silent cabinet


東京にある日本民藝館を訪れると、日本人が古くから使用してきた道具や工芸品を見ることができます。その実用の品々は展示ケースの中に注ぎ込む自然光を受けて、とても美しい姿をしていました。光の陰翳を受けた漆器の表情やさびて枯れゆく森羅万象に美しさを感じ取るのは、日本人独特の感性なのかもしれません。

伝統に囚われることなく、日本の美意識を現代に通じる美として表現したのがSilent cabinetです。一般的なショーケースはLED照明を組み込んで内部を明るくしますが、人工の光に照らされた収納物は決して美しいとは言えません。一方、照明のない棚は下の段ほど暗くなり、中がよく見えません。Silent cabinetは、照明を使うことなくキャビネットに光を呼び込み、収納物が美しく引き立つように、前後、両側面、天井面の5方向全てをガラスにしました。またW1400とW2200 のタイプには引き戸を採用しました。引き戸は古くから日本家屋の空間を間仕切る襖や障子といった建具に使われる仕様です。キャビネットの内部で扉を互い違いにスライドさせて開けることができるので、大きな扉であっても開閉のスペースを必要としません。

引き戸は、片面のみ格子戸のタイプを選ぶことができます。日本の伝統的な意匠である格子は、細く、繊細な木材が規則的に連なります。6mm幅の木材とその間隔は、日本的な静けさとモダンなテイストのインテリアとも調和するバランスを探りました。

Silent cabinet

Cabinet
W220×D48×H120
Oak – Charcoal grey
Glass – Grey
BDTC-006

Silent cabinet

Cabinet
W140×D48×H170
Oak – Charcoal grey
Glass – Grey
BDTC-004

Silent cabinet

Cabinet
W80×D48×H170
Oak – Charcoal grey
Glass – Grey
BDTC-002

Silent cabinet

Cabinet with lattice door
W220×D48×H120
Oak – Snow white
Glass – Grey
BDTC-013

Silent cabinet

Cabinet with lattice door
W220×D48×H120
Oak – Charcoal grey
Glass – Grey
BDTC-014

Silent cabinet

Cabinet with lattice door
W140×D48×H170
Oak – Snow white
Glass – Grey
BDTC-011

Silent cabinet

Cabinet with lattice door
W140×D48×H170
Oak – Charcoal grey
Glass – Grey
BDTC-012

Silent drawer

 

Silent drawer はタイムアンドスタイルの考え方を象徴する収納のための家具です。居住空間の中に効率的かつ機能的に収まり、空間を構成する床、壁、天井の延長線上に存在することを定義としています。存在感を消しながら必然的な存在となる、この相反することが空間の中で長く必要とされる家具の基本的な在り方なのではないかと考えます。家具は様々なスタイルの空間に配置され、そこに暮らす人のパーソナリティに寄り添い変化してゆきます。多様な空間の中でそれぞれの個性と違和感なく融合し空間と一体化すること、そして、家具の持つ静かな存在感が様々な個性を受け入れられることも重要です。装飾性を削ぎ落とし、素材感を大切にしながら安定した機能性を備え、普遍的な存在感を持つことが家具としての大切な要素だと考えています。

Silent drawer は収納に特化してデザインされ、洋服や食器、書類など、様々な用途や目的に対応できるようニュートラルに作られています。シンプルな手掛かりを無垢の前板に彫り込むことで毎日使用してもストレスのない機能的なデザインにしました。また、キッチン収納にも使われる、重量物の荷重にも耐えられるスライドレールを採用しています。キャビネットは日々の生活の中で何度も開閉したり、重量のあるものを長期間保管し続けたりするため、十分な機能性と耐久性が求められます。デザインはSilent cabinetと同様に、無垢材のフレームの表面を円弧状に削り、全体に柔らかな印象を持たせています。日本の古典建築の構成を家具のスケールへ落とし込み、ドロワーをフレームで囲むことで収納部分を建築の居住空間に見立ててデザインしました。

Silent drawer

Cabinet
W160×D48×H95
Oak – Charcoal grey
Glass – Grey
BDTC-102

Silent drawer

Cabinet
W220×D48×H95
Oak – Charcoal grey
Glass – Grey
BDTC-104

Silent drawer

Cabinet
W160×D48×H170
Oak – Charcoal grey
Glass – Grey
BDTC-106

Silent drawer

Cabinet
W220×D48×H170
Oak – Charcoal grey
Glass – Grey
BDTC-108

Silent wardrobe

 

エントランスの扉を開けて友人を自宅に招き入れ、彼らのコートをハンガーに掛けてSilent wardrobe の中へ入れて静かに扉を閉じる、すると彼のブラウンのコートと彼女のイエローのコートは濃淡のあるグレーのシルエットだけとなり静かにそこに残る̶、そんなイメージでこのワードローブキャビネットを作りました。

ナラ材のフレームの表面は緩やかな膨らみを持たせ、底面以外の5 面にはグレーのスモークガラスを採用しています。2 枚の扉は日本式の引き戸にスモークガラスを入れてあり、横にスライドさせて開閉します。引き戸は日本の伝統的な家屋の居室を間仕切る襖や障子といった建具などに使われてきた、古典的でシンプルな機構です。前面のフレームの上下に2 本の溝を彫り、そこに大きなガラスの扉を嵌め込みます。モダンな存在感を持つキャビネットと引き戸を組み合わせることで、引き戸のスペース効率の良さが生かされた、新しいキャビネットの在り方を提案しています。下方にあるドロワーには日常使いの鍵や財布などの小物を収納することができます。来客用のコートハンガーとしては、1枚扉の小さなタイプがエントランスなどの小スペースに適しているかもしれません。チャコールグレーのナラ材のフレームとドロワー、そして全体を覆うグレーのスモークガラスのワードローブは、様々なシーンの中で、どんな洋服を収納しても静かな存在感で佇みます。エントランスで友人たちをスマートに、静かな驚きとともに迎え入れてみてください。

Silent wardrobe

Cabinet
W65×D65×H190
Oak – Charcoal grey
Glass – Grey
BDTC-204

Silent wardrobe

Cabinet
W120×D65×H190
Oak – Charcoal grey
Glass – Grey
BDTC-202